2020年3月5日木曜日

BMXレースに必要な自転車【BMXレースの始め方 ①】

BMX Race。
テレビやネットなどでその存在を知り、自分も始めたい・子どもにやらせてみたいと思っても、何をどうすれば良いのか分からないことが色々あると思います。
そこで、【BMXレースの始め方】と題して、いくつかの記事に分けて、どうやったらレースに参加できるのか、紹介していきたいと思います。

今回は、その第一回の記事ということで、まずはBMXレースの練習やレースに必要な自転車と、それが何処で買えるのか説明します。


【レースに必要な用具の一覧】

BMXレースを始めるために必ず揃えなければならない物は、
 ① レース用自転車
 ② フルフェイスヘルメット
 ③ グローブ
 ④ 運動に適した長袖・長ズボンの服
になります。

そして、着けることが強く推奨される、或いはコース・レースによっては装着が必須なのが、
 ⑤ ニーシンガード(膝+脛のプロテクター)
 ⑥ エルボーガード(肘のプロテクター)
です。

その他にも着けた方が良いのが、
 ⑦ ボディープロテクター
 ⑧ ネックブレース
で、砂埃や日差しが気になる人は、
 ⑨ ゴーグル
も必要になります。


用具一式の装着イメージ。 Nov/2019 @秩父滝沢サイクルパーク

その中でも「これがないと何も始められない!」のが、① レース用自転車です。


【BMXの種目】

BMX競技(遊び)は、大まかに
 レース・パーク・ストリート・ダートジャンプ・フラットランド
の5つの種目に分かれています。
そして、各種目で推奨される自転車のスペックが違い、メーカーもそれぞれに適したモデルの自転車を販売しています(パークとストリート、パークととダートジャンプなどは、両方同じ自転車で遊ぶ人が多い)。
レースに必要な自転車は、もちろん「レース用BMX」、別名「レーサー」です。


【レーサーのサイズ展開】

レーサーは、サイズが小さい順に、
 18inch ホイール:Micro Mini
 20inch ホイール:Mini・Junior・Expert・Pro
と呼び名が変わり、メーカーによっては「Expert」と「Pro」の間の「Expert XL」や「Pro」より大きい「Pro XL」・「Pro XXL」などのサイズも展開しています。
「Expert」や「Pro」と名前が付いていますが、あくまでサイズを表す呼び名なので、身長によっては初心者でも「Expert」、初めて自転車にまたがる人でも「Pro」に乗ることになります。


【フレームの材質】

フレームの材質で分けると、レーサーには、
 鉄・アルミ・カーボン・ハイブリッド
の4種類があります。

鉄フレームの良いところは、独特のしなりがある乗り味と、頑丈なので多少荒く扱っても大丈夫な点です。
一方で、どうしても重量が重くなってしまうので、競技の結果を追い求めるガチなライダーで使っている人はあまりおらず、作っているメーカーも限られます。

一番メジャーで、多くのレースを始めた人が最初に乗るのがアルミフレームの自転車です。
軽くて硬いので自転車がよく進み、また比較的安価で、各メーカーから色々なモデルが出ており、選択肢も豊富です。
というか、Micro MiniからExpertサイズの自転車は、ほぼアルミフレームしか出ていないので、キッズレーサーは皆アルミフレームのレーサーに乗っています。

カーボンフレームの自転車は、アルミより更に軽く作られています。
トップレーサーの多くが乗っていることからも分かるように、一番優れているのですが、高価で比較的傷に弱いので、始めたばかりの人が乗る必要はないと思います。
サイズもProサイズ以上くらいからしか販売していないことが多いようです。

ハイブリッドフレームは、鉄とカーボンなど、一つのフレームの中に二つ以上の素材が使われているものです。
ロードバイクでは結構あった気がしますが、レーサーではほとんど販売されていないので、初心者が買うことはまずないでしょう。


【何を買えば良いの?】

最初の一台は、体の大きさに合ったアルミフレームの完成車を選べば良いと思います。
初めから「ガンガン練習して、成績を追い求めるんだ!」という決意の方は、お金はかかるけど自転車の重量は軽くなる「バラ組(こだわりのパーツを一つ一つ買って組み立て)」をしても良いかもしれません。
「とりあえず完成車を買ったけど、練習を始めてレースに出だしたら、色々パーツを替えたくなって、結局最初からバラ組した方が安くついた」という人もよく見ます。
お値段は、日本で正規品を定価で買うと、完成車が4〜8万円くらい(大人用は17万円くらいするめちゃめちゃ良いものもある)で、バラ組は20万円以上かかる感じです。
この辺りは、ライダーの(親の)やる気や性格、経済力で決めるしかないでしょう。

サイズの選び方や、各メーカーの特徴については、BMX KIDSさんの「レース用BMXの選び方・サイズについて」や「レース用BMXのメーカー一覧」が詳しいので、そちらを参照して下さい。
その他の記事も、レーサー、特にキッズレーサーの親なら必読の、とても面白く参考になるブログです。

また、色々とネットなどで調べるのも良いのですが、サイズ選びに関しては、レーサーで実際にコースを走ってみるのが一番です。
関東圏では、秩父滝沢サイクルパークひたち海浜公園JOSF 日本オフロードショートトラック連盟などのBMX体験やスクールで、レーサーをレンタルしてコースを走ることができます。
その他の地方でも、JBMXF(全日本BMX連盟)に加盟する各地方のBMX協会が体験会やスクールなどを行なっており、レーサーや用具をレンタルして、コースを走ることができるようです。
実際にレースコースを走ってみたら「怖すぎて無理!」とか「子どもがまだ小さすぎて無理!」ということもあるかもしれません。
そのためにも、自転車や用具一式を揃える前に、一度走行体験をしておくことをお勧めします。

二つのサイズで迷ったら、
・大き目の自転車
  安定感があるのでスピードが出ても比較的怖くない
  ジャンプやロール(後輪のみでの走行)など出来るようになっている動きを失敗しにくい
・小さ目の自転車
  操りやすいのでコブのこなしが比較的怖くない
  ジャンプやロールに新たに挑戦する時にやり易い
といった傾向があることを、参考にして下さい。
また、子どもは成長するので、キッズに関しては大き目を買った方が長く乗れてお財布に優しいのですが、大きすぎると、乗りづらくて面白くなくなってしまうし、何より危ないです。

メーカーやグレードで迷ったら、細かなスペックよりも色やロゴなど、見た目で選ぶのが吉です。
ぶっちゃけ、初心者はサイズさえ適正な自転車を選んでおけば、多少の重量やパーツの違いなど、乗っても違いが分からず、速さや上達にも影響しないことがほとんどです。
細かいことを気にするよりも、見た目が好きな自転車でやる気を出して、どんどん練習した方が上手くなります。


【どこで買うの?】

実店舗と通販、どちらでも買えますが、実店舗で買うことを強くお勧めします。
今のご時世、ネットを漁ればいくらでも自転車整備の方法を知ることができるので、初心者・未経験者でも、通販で安く買って、自分で自転車を組み立てることはできると思います。
とは言っても、経験を積んだショップできちんと組んでもらった自転車と、初心者が見様見真似で組んだ自転車では、性能に大きな差が出ます。
また、BMXレースは狭い世界で、情報がレースに参戦している内輪のみで流れることも多く、その情報を初心者に教えてくれるのがショップです。
多少値段が高くなっても、実店舗のショップで買う方が、はるかに得することが多いと思います。

ただ、気をつけなくてはならないのは、レーサーを買うことができるお店は多いのに、BMXレースに詳しいショップはそれ程多くないことです。
せっかく実店舗で基本的には定価で自転車を買うなら、BMXレースに詳しいショップで買いましょう。
首都圏近郊に住んでいる方なら、以下の3店舗のどれかに行けば、間違いないです!

小川輪業(東京都世田谷区)
 2019年全日本チャンピオンの中井飛馬選手をはじめ、多くのライダーが整備をお願いしているお店。
 ダウンヒル日本チャンピオンの井本はじめ選手をサポートするなど、MTBにも強いです。

AST(埼玉県和光市・秩父市)
 全日本選手権の決勝に何度も進出している高山兄弟のご実家。
 秩父店(AST Forest)では、兄弟の弟のゆうじろう君が店長を勤めています。

BMX Shop Cave(神奈川県横須賀市)
 「通販」・「パーク・ストリート」のイメージが強いお店ですが、実店舗もあり、レース用品も売っています。
 オーナーのご子息が以前にレースを転戦していたこともあり、オーナーの奥様が色々と教えてくれます。

この他にも、日本各地に、BMXレースに強いお店がいくつもあります。
最寄りのショップを知りたかったら、先ほど紹介した体験やスクールで、地元のオススメのショップを教えてもらうのも良いのではないでしょうか。


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

またまた長々と書いてしまいましたが、これにてレース用自転車の説明はおしまいです。
レーサー購入について迷っている人が、この記事を読んで、少しでも参考になったと思ってくれれば幸いです。
それではまた!
次の記事では、自転車以外の用具について紹介したいと思います。

0 件のコメント:

コメントを投稿